左脳は右脳の夢をみる

24歳で脳出血を起こしても、この世界で誰かを守るために生きる1人の軌跡。

MRIで風に吹かれて

 

凄く簡単に説明すると、MRI検査とはー(脳血管に異常がないか、脳腫瘍がないかを調べる検査(造影CTの簡易版)らしい。

そして、脳出血で倒れて実際に2度体験してみての感想についてですがーとにかく騒がしい(検査前に大きい耳栓をするくらい)!

その上、20分間という長時間、全く動くことができないので精神的に辛い!

ただ機械の中に入って寝そべるだけなので、

造影CTのように傷みを感じたり造影剤が身体を循環するときの火照りに悩むことはないのですが、【忍耐力が試される検査】です。

そして本日、脳出血を起こして2度目のMRI検査を受けた私。

機械の中に入ると低音のクラクションのような音や工事現場でコンクリートを削っているような音が頭上から聞こえ続けます。

ー「20分もこれに耐えられない!前回は術前でボーっとしていたけれど、今は無理だ!」

 

そこで私はこの騒音を消すかのように脳内にあるトラックから音楽をかけることにしました。

まず初めはショパンコンクールブーニンが演奏した圧巻の『ピアノ協奏曲第1番』。

しかし、あの力強い音ですらMRIの騒音には勝てません。

 

それなら逆に静かな曲にしようと次に選んだのはースメタナの『我が祖国』。

微かにではありますが、クラリネットの弾むような音が聴こえてきました。

ー「次に音の大きな検査が続きます!」(機械内のスピーカーから聴こえる検査技師さんの声)

もうここは工事現場なのでは!?と錯覚するくらいの大きな音が続きました。

でも、動きに弱い検査であるため、私は身体を動かすことができません。特に頭は頑丈に固定されています。

ー「(他の曲を!心が癒されるような静かな曲を!検査はいつ終わるの!?」

ー「How many roads must a man…」

ー聴こえてきたのはボブ・ディランの『Blowin' in the wind(風に吹かれて)』。

 

きっと騒音を身動きせずに耐えなくてはいけないことを憂いていた私の脳が厭世的でありながら静かで心癒されるこの曲を選んだのだと思います。

それか、ずっと「あとどれぐらい(で終わるの)!?」と考えていたから、脳が「howlong」で溢れていて、

語呂的に近いこの曲を選んだのかもしれません。

皆さん、MRI検査を受ける時には是非、ボブ・ディランを(https://www.youtube.com/watch?v=vWwgrjjIMXA&app=desktop)。