左脳は右脳の夢をみる

24歳で脳出血を起こしても、この世界で誰かを守るために生きる1人の軌跡。

私を舞踏会へ連れて行って!

今朝、私は病院内で開催された(お手洗いという名の)舞踏会に慌ただしくも出席しました。

時間は午前8時前。朝食の配膳で忙しい看護師さんの靴音が廊下からパタパタと聞こえる

ー「(も、猛烈にお手洗いへ行きたい!膀胱が保たない!ナースコールだ!)すみません!お手洗いに行きたいので車椅子をお願いします!!」『はい、少々お待ちください(看護師・オオヌキさんのハスキーボイス)「(あと1分くらいなら待てます!!オオヌキさん、早く!!頑張れ、私の膀胱!!)」5分くらい経った頃ーガラガラと車椅子という名のかぼちゃの馬車の車輪音が聞こえてきた。

継母(看護師さん)につけられた足枷(血流が悪くならないためのマッサージ器)を急いで外す。

パジャマだし、舞踏会に行くにはみすぼらしい格好だけど、1秒でも早く洋式トイレという名の王子様に会いたい!

「オオヌキさん、もう限界が近いです…」

『待たせちゃったもんね、ごめんね!』

「頑張れ私の膀胱…」

『頑張ってくれー!』

少しずつ近づく舞踏会(お手洗い)。スライド式のドアを開けると舞踏会の会場と王子様(洋式トイレ)が目の前に現れました。

 

「(あゝ私の王子様!早く会いたかった!接吻をしてもよろしいでしょうか?)」

かぼちゃの馬車からゆっくりと降りたパジャマ姿でみすぼらしい姿のシンデレラはゆっくりと王子様に近づきます。

『はーいじゃあ危ないから下着とパジャマ下ろすねー!』

「お願いします…」

そしてゆっくりと王子様に接吻(洋式トイレに腰掛けた)した私は慌ただしくもお手洗いを済ませることができたのでした。

舞踏会に間に合ってよかった…