左脳は右脳の夢をみる

24歳で脳出血を起こしても、この世界で誰かを守るために生きる1人の軌跡。

「それは大沢さんが強いからだよ」

タイトルは、昨日執刀医で主治医の三輪点(ともる)先生からもらった言葉。三輪先生は脳神経外科医として、いくつもの艱難辛苦を乗り越えてきたであろう様子を全く感じさせないほどにいつも顔に優しい笑顔を湛えている方です。特に術後寂寞と恐怖に押し潰されそうになりながらもICUで寝ている私に会いに来て下さった三輪先生の笑顔は今でも忘れられません。そのにこっとした笑顔を見た時の私の心にはあたたかい光が点ったようで、安心した私は思わず微笑みを返しました。そして昨日教授回診で私の元を訪れた三輪先生はやはり変わらない優しい笑顔でした。車椅子に座ってロビーにいた私は三輪先生に「術後一度も強い痛みに苦しんだことがなくて、凄いなあ!と思っています!」と、まるで子供のような言葉を発してしまいました。そんな私を見て微笑んだ三輪先生は私に「それは大沢さんが強いからだよ」と言ってくださいました。ひねくれWeb編集者の私はその言葉を真摯に受け止める前に「いやいや!痛み止めとか絶妙なタイミングと量で処方して下さったからです!私は休職を2度もしているし入院してから手術がコワイ、とかリハビリが上手くいかない、とかつまらないことで泣いたりしているような弱いヤツです!」と思ってしまったのですが、きっと11時間にも及ぶ大手術を私と共に乗り越えて下さった三輪先生が言うのだから、私は今回のイベントを通してちょっとだけ強くなっているのかもしれません。これからぶつかる「リハビリの本格化」という壁やそれ以降の日常生活でぶつかる壁を乗り越えるためにはもうちょっと強くならなくてはいけないと思いますが、挫けそうなときは三輪先生から昨日もらったこの言葉をお守りにしたいと思います。