左脳は右脳の夢をみる

24歳で脳出血を起こしても、この世界で誰かを守るために生きる1人の軌跡。

ギブ・ミー・ウォーター

今回のタイトルは術後に麻酔から醒めた私が発した第一声に因んで。

 

私は脳出血を起こしてから約二週間後の3/18(日)に11時間にも及ぶ大手術を受けました。

手術の概要は右脚の付け根からカテーテルを入れ、アロンアルファのようなものを注入して破れてしまった血管を繋ぎ、補強する。開頭して、血腫と奇形のある血管を取り除く(検査時には分からなかった静脈瘤も取り除いて頂いた)…といった想像するだけで痛々しい内容です。

 

でも、術後から今まで、執刀医の三輪先生を初めとした優秀な先生方や看護師さんのおかげで強い痛みを感じたことは一度もありません。ない、のですが、術後に私が我慢ができないほどに心から苦しく、辛かったことが一つだけあります―それは「喉の渇き」。

11時間にも及ぶ大手術は全身麻酔をかけて行われたため、私は喉に呼吸器を通していました。その影響で喉が渇いて渇いて仕方がなかったのです。

でも脳圧が下がってしまうため、お水を飲むことは術後2日目に一般病棟へ移るまでできませんでした。この時の私がどんな感じだったか補足すると…お水もなしに灼熱のサハラ砂漠に放り込まれたような感覚!です。

のどの奥で砂嵐が吹き荒れているような乾燥っぷり。術後に一晩、ICUへ入りましたが、その時が一番この「喉の渇き」に苦しみました。看護師さんがくちびるを濡らしてくれるのですが、もうそれが更に生き地獄で、「いいからもう水を飲ませて!無理なら身体全体にかけてください!」と何度も何度も心の底から叫んでいました。

 

きっとくちびるを頻繁に濡らしてくれていた看護師さん(チカさんという若くて可愛らしい女性でした)もそんな私を見ていて、私以上に苦しかったのではないかと思います。

喉が渇いていても眠れれば良かったのですが、喉の渇きが辛すぎて私は一睡もできませんでした。だからずーっとお水のことを考えていました。

もう、【お水のことしか考えられない!】ほどにお熱でした。

「仕事の移動中に飲んだあのお水はサイコーだったなあ」とか「仕事帰りに行ったラーメン屋で飲んだあのお水は冷えていて脂っこいラーメンのスープをスッキリさせてくれたなあ」とかとか。

あと、私は通勤用にお水を鞄の中に入れていたのですが、賞味期限関係なく封を開けて3日目には残っているお水を捨てていました。それを思い出して「おい!昔の私!その捨てようとしている水を持ってここまで来てくれ!ああ!捨てるなんて勿体ない!」と術後で疲れ切っていただろう脳で延々と考えていました。

 

これからリハビリを頑張って、元の生活に戻れたらお水は大事に飲みたいと心から思います…因みに一般病棟に移った今、その時のトラウマでお水の入ったペットボトルが近くにないと落ち着きません笑